布の途中 #3|糸を送る Drawing the Warp Through

→Read in English

整経した820本の絹糸を、織機に残した前の経糸と一本ずつ結んだあと、新しい経糸を織機の中へ送っていきます。

結んだ糸は、数十本ほどずつ手に取り、ゆっくりと引きます。
前の経糸を少しずつ動かしながら、結び目を筬(おさ)や綜絖(そうこう)の間へ通していきます。

細い絹糸は、わずかな緩みや撚れでも絡まりやすくなります。糸が重なったまま引くと、結び目が筬に掛かったり、途中で糸が切れたりすることもあります。

そのため、少し引いては手を止め、糸の並びを確かめます。
子どもの髪をとかすように、ブラシで糸をやさしく梳かし、絡まりや撚れをほどきながら、再び少しずつ引いていきます。

結び目が筬と綜絖を通り抜けるにつれて、織機の中に残っていた前の経糸が、新しく整経した820本の経糸へと入れ替わっていきます。

急いで進めると、糸の小さな乱れを見落としてしまいます。
糸の動きを確かめながら、焦らず、ゆっくりと時間をかけて進める作業です。

整経し、一本ずつ結び、糸を梳かしながら、織機の中へ送る。

新しい布を織り始める前には、糸を切らず、絡ませず、正しい順序のまま通すための作業が続きます。

← 布の途中 #2|結ぶ